マーケティングリサーチとは

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「そもそもマーケティングとは」
 マーケテイングリサーチについての理解を深めるには、そもそもマーケティングとは、の理解を共通にしておく必要があります。と前置きをするぐらいマーケティングの定義は広く、人によって異なった理解が存在するからです。ある人は単に「物やサービスを売る為の全般的な行為」と言うでしょうし、またある人は「顧客ニーズを知る事に始まり・・・」と教科書的に長々と定義する人もいるでしょう。従ってここでは、ごく一般的に使われているコトラーの言葉「二当事者間による価値の交換過程を通じてニーズと欲求を充足させることを目指した人間活動」をベースに、ここでは、ニーズとしての価値とそれを充足させる為の価値の「等価交換プロセス」としておきます。
「価値を知ることがマーケティングの第一歩」
 マーケティングの定義が「等価交換プロセス」であるとすれば、「必要とされる価値」を知る事から始まるプロセスが一般的であり、その価値が何なのかを知る行為が「マーケテイングリサーチ」と言えます。言うまでも有りませんが、ここでの価値とは、製品、サービス、貨幣、に限定されるものでは無く、時間、エネルギー、感情など様々なリソースも含まれます。こうした価値の中には、顕在化したニーズであるものとそうでないものが有ります。「マーケティングリサーチ」には、その潜在的なニーズと言う価値を知る事も含まれています。さてその方法ですが、これは数々の書籍でも紹介されているように多種多様なリサーチ方法が有ります。「郵送アンケート調査」「NETアンケート調査」「訪問面接調査」「訪問留置調査」「覆面調査」等がその代表的なものです。ここではその一つ一つの項目や手順等の説明は致しませんが、調査の対象と調査結果からの判断については次の注意点が有ります。
「マーケティングリサーチの対象と結果判断」
 ここで、或る事例を用いてその注意点を理解して頂きます。
或る町で「書店」を開業する目的で、その品揃えの為のニーズ(住民がどんな書籍に価値を求めているか)を知るために、女子大生のアルバイトを使っての街頭インタビューを実施しました。結果は「小説」や「趣味の本」「旅行誌」「写真集」等が多数を占めていました。そこでその品揃えを充実させて開店しましたが、よく売れたものは別のもので、直ぐに在庫切れを起こしてしまいました。その理由は街頭インタビューでの回答は「たてまえ」であったからです。殆どの人は面談での、ましては若い女性による対面インタビューで「私はコミック本を愛読しています」や「私はアダルト系が好きです」とは言わないものです。従って、真実のニーズとしての価値観を知るには、対面ではない無記名のアンケートを実施するか、リサーチの対象を広げるべきであったのです。この場合の対象に加えるべき場所は「古本の回収業」でした。そこには、近所の住民から回収された「週刊コミック本」や「アダルト系の雑誌」が沢山回収されていたそうです。
 このように、マーケットリサーチによって人々の価値を正確に知るには、その対象や場所の適切さをよく検討する必要があり、その是非によっては結果判断に大きな誤りをもたらす事が有る事を十分認識する必要があります。

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