介護付有料老人ホームにおける介護

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・資格や仕事内容について
介護付有料老人ホームでは介護やリハビリ、レクリエーション等の様々なサービスを提供します。利用者への介護を行う際の資格や経験は問われません。仕事内容は、オムツ交換や着替え、食事のお手伝いや片付け、配薬、ベッドのシーツ交換、入浴から軟膏塗布、洗濯、トイレの誘導、薬チェックやバイタル測定、カルテ記入、レクリエーション等です。もし資格を取ることになれば試験勉強に加え、これらの仕事を続けることで合格しやすくなります。例えば介護福祉士国家試験(筆記試験)では介護の基本や介護過程、障害や認知症の理解、コミュニケーション技術、こころとからだのしくみ、総合問題等が出題されます。出題内容には介護の中で経験したことや得た知識が含まれます。老人ホームには認知症の利用者も多く、予測のつかないことも起こり得るのですが、焦らない的確な判断が必要です。時には医療行為に近い処置も求めれますが、1つ1つの体験が貴重な経験となります。平成24年4月から、一定の条件の下で介護福祉士有資格者や研修を受けた介護職員等が、たんの吸引等を実施できるようになりました。
・服薬による注意
介護付有料老人ホームには認知症だけでなく、身体の疾患や精神疾患を持つ利用者もいるため、症状に応じた薬を投与することになります。薬の処方は老人ホームが提携している病院の医師によって行われますが、例外が無ければ看護職員の管理体制のもとで配薬は介護職員が行います。しかし、薬が必ずしも症状だけに作用するとは限りません。例えば、抑うつ状態の方が気分の高まる薬を服用した場合、攻撃的な行動を取ることもあります。入浴させようと手を出した時に目を狙って指で突こうとしたり、暴れ出したりします。年齢に限らず、向精神薬の中には服薬によって攻撃性や衝動性を引き起こす薬剤もあることが問題となったことがあります。また、暴れるあまり臨時的に心を穏やかにする薬を服薬させることになります。個人差があるので、服薬による個々の変化を見つめなければなりません。しかし、服薬による副作用を補う薬を追加するうちに薬漬けとならないよう介護職員も気付いた点は早急に看護職員に報告しなければなりません。
・介護する相手の尊厳を大切にする
利用者の中には調理場まで徘徊し、従業員と会話しようとする人もいれば、男性利用者が女性職員にセクハラを行い同じ職員が止めに行くと殴られそうになる等、決められた仕事だけでは済まない日々が続きます。体力と精神力、臨機応変な対応とそれに欠かせない判断力が必要です。リハビリを受ける中、苦痛で家に帰りたいと叫ぶ人もいます。しかし、職員が本当に家に帰るか尋ねると今度は意地でも帰らないと答えたりして困惑することもあります。皆、若い時もあり、様々な人生を送ってきました。昔のように考えたり動いたりできず、自由が利かなくなっていきます。思いも寄らぬ行動を取ることもありますが辛い時もあります。介護するにあたって強い口調や高い位置から説得しても、逆に赤ちゃんのように接しても効果はありません。我が儘にも思える時もありますが、助けが必要だから介護を受けています。コミュニケーションを取りながら相手が自分でできることに対してその能力を評価し、自分の価値を実感してもらいます。人間が生きる時間は誰にでも限りがあります。介護をすることで心身を救うだけでなく、これから残された時間を有意義にすることも大切です。どうすれば相手が喜ぶかは、その人と接した自分がよく解ります。コミュニケーションを取ることが困難な場合でも、気持ちを汲み取るようにします。自分のやり方は押しつけないように心がけます。神経質になり過ぎないよう、問題がないと判断できる行動はむやみに制限しないことも重要です。1人の人として真っすぐ向き合い、できないことを手助けする、そして心から安心してもらえることが介護には必要です。

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